フォーサーズのレンズに手ブレ補正がない理由【実は時代の先取りだった?】
フォーサーズのレンズって、手ブレ補正(OIS)が付いてないんですよね。
「なんでだろう?」と思ったこと、ありませんか?
実はこれ、オリンパスの「ボディ内手ブレ補正ありき」という設計思想によるものだったんです。
フォーサーズ初期には手ブレ補正がなかった
でもちょっとややこしいのは、
- E-1
- E-300
- E-500
- E-400
- E-410
- E-420
これらの初期フォーサーズ機には、ボディ内手ブレ補正がまだ搭載されていなかったことです。
理由は単純で、当時はまだボディに手ブレ補正を組み込むだけの技術が追いついてなかったから。
しかもフォーサーズは「小型・軽量」をウリにしていたので、大きく重いレンズ内手ブレ補正も付けたくなかった。
結果として、
- レンズに手ブレ補正なし
- ボディにも手ブレ補正なし
という、今から見るとちょっと心もとない仕様になってしまったんですね。
E-510がターニングポイントだった
そんな流れを変えたのが、2007年に発売されたE-510です。
E-510は、フォーサーズ初のボディ内手ブレ補正を搭載したモデル。
どのレンズを使っても手ブレ補正が効くようになり、フォーサーズの使い勝手が一気に向上しました。
当時のカメラ業界の流れを振り返ると、
- キヤノン → レンズ側手ブレ補正(IS)
- ニコン → レンズ側手ブレ補正(VR)
- ソニー → ボディ内手ブレ補正(α100で参入)
こんな感じでした。
つまり、2007年ごろには「手ブレ補正がないカメラは売れない」という空気が一気に強くなっていたわけです。
オリンパスもこの流れに乗って、E-510からボディ内手ブレ補正を標準にしていきました。
その後のフォーサーズ機たち
E-510以降、
- E-3(フラッグシップ機)
- E-30(中級機)
- E-620(軽量中級機)
- E-5(最後のフォーサーズ一眼レフ)
と、すべてボディ内手ブレ補正を搭載しています。
オリンパスは、レンズを軽く・コンパクトに保ちつつ、ボディ側で手ブレ補正をカバーする戦略を貫きました。
これが後のマイクロフォーサーズにも受け継がれています。
まとめ:フォーサーズは時代を先取りしていた
結論をまとめると、
- 本当はボディ側で手ブレ補正する設計だった
- でも初期は技術が追いついてなかった
- E-510以降、ボディ内手ブレ補正が標準になった
だから、フォーサーズのレンズに手ブレ補正がないのは、単なるコストカットとかじゃなく、
「先を見据えた設計思想だった」というわけです。
初期モデルのE-300やE-500を使っていると、今では当たり前の手ブレ補正がない分、構図をしっかり意識するようになります。
それもまた、ひとつの味わいですよね。
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